労災保険の申請サポート
会社が手続きに協力しない場合も、労働者本人やご遺族が労働基準監督署に請求できます。請求書の作成、事故状況の整理、監督署とのやり取りをお手伝いします。
労働災害(労災)のご相談
仕事中・通勤中のけがや病気、長時間労働やハラスメントによるうつ病、ご家族を亡くされた事故。労災保険の申請から会社への損害賠償請求まで、被災された方とご家族の側に立って対応します。
お問い合わせだけで、勤務先に連絡することはありません。
弁護士 松井春樹東京大学法学部卒業/大手法律事務所出身
テレビ東京WBS出演
※労災保険の決定に対する不服申立て(審査請求など)や、訴訟などの裁判手続きに移行する場合は、別途着手金をいただきます。報酬金(成功報酬)と実費は別途です。
労災と認められるか分からない段階でも、ご相談いただけます。

担当弁護士松井 春樹
相談できること
労災保険の手続きから、会社との話し合いまで。どの段階からでもご相談ください。
会社が手続きに協力しない場合も、労働者本人やご遺族が労働基準監督署に請求できます。請求書の作成、事故状況の整理、監督署とのやり取りをお手伝いします。
休業補償給付の額や期間、治療費の扱い、症状固定や傷病補償年金への切り替えなど、給付の内容が正しいかを確かめます。労災休業中の解雇・雇止めへの対応もお受けします(解雇・退職の相談ページもご覧ください)。
症状固定後の障害補償給付の請求と、等級認定に向けた資料の準備をサポートします。決定に納得できない場合は、期限内の審査請求を代理します。
安全対策の不備や長時間労働など、会社に責任がある場合は、労災保険では補償されない慰謝料や収入の差額を会社に請求します。交渉でまとまらなければ、労働審判・訴訟で対応します。
脳・心臓疾患や、うつ病などの精神障害は、厚生労働省の認定基準に沿って労働時間や出来事を立証する必要があります。記録の集め方から、認定後の会社への請求までお手伝いします。ハラスメントが原因の場合は、パワハラ被害・セクハラ被害の相談ページもご覧ください。
仕事中の事故や過労でご家族を亡くされた方の、遺族補償給付・葬祭料の請求と、会社への損害賠償請求をお受けします。
無料の計算・診断ツール
4つのツールを無料でお使いいただけます。入力した内容は送信されず、この画面の中だけで計算します。結果は目安です。
労災で仕事を休んだときに労災保険から受け取れる休業補償給付(60%)と休業特別支給金(20%)の目安を計算します。給付のもとになる「給付基礎日額」も表示します。
労働者災害補償保険法・労働基準法の定めに基づく目安です。賃金の内訳や締切日、一部だけ働いた日、賃金水準の変動に応じたスライド率などで実際の額は変わります。特別加入者(一人親方など)は、加入時に選んだ給付基礎日額で計算されます。
後遺障害が残ったときの障害補償給付(1〜7級は年金、8〜14級は一時金)と、障害特別支給金・障害特別年金(一時金)の目安を計算します。年金は、年額と5年分の目安を表示します。
労働者災害補償保険法の別表と特別支給金支給規則に基づく目安です。等級は労働基準監督署が認定します。年金の額は、スライド制や年齢階層別の限度額、厚生年金などとの調整で変わることがあります。
労災保険では補償されない損害(慰謝料など)を会社に請求できる見込みと、注意点・期限を確かめます。
会社への損害賠償が認められるかどうかや金額は、事故の経緯、会社の安全対策の内容、ご本人の過失の有無など個別の事情で決まります。結果は目安です。
けがや病気が労災(業務災害・通勤災害)と認められる可能性の目安を、労災保険法と厚生労働省の認定基準に沿って確かめます。
労働者災害補償保険法と厚生労働省の認定基準に基づく目安です。実際の認定は、労働基準監督署が事実関係を調査して判断します。
弁護士に依頼すると
労災保険には慰謝料の給付がなく、休業補償も賃金の8割までです。会社に安全配慮義務違反などの責任があれば、足りない分を会社に請求できる可能性があります。
労災手続きへの非協力、低い示談金の提示、休業中の退職の勧め。ご依頼後は弁護士が窓口となり、ご本人は治療に専念できます。
事故の状況、労働時間の記録、診療記録を早めに確保します。労災保険の請求は2年・5年、会社への損害賠償は5年など、期限を確かめて進めます。
労災の基礎知識
仕事が原因のけが・病気(業務災害)と通勤中のけが(通勤災害)には、労災保険から次の給付があります(労災保険法12条の8・別表第一・第二、特別支給金支給規則、厚生労働省「労災保険給付の概要」)。
| 給付 | 内容(業務災害の場合の名称) |
|---|---|
| 治療費 | 療養補償給付。労災指定医療機関なら窓口負担なしで、治ゆ(症状固定)まで受けられます。 |
| 休業中の収入 | 休業補償給付。休業4日目から1日につき給付基礎日額の60%。これに休業特別支給金20%が上乗せされます。 |
| 後遺障害 | 障害補償給付。1〜7級は年金(給付基礎日額の313〜131日分)、8〜14級は一時金(503〜56日分)。障害特別支給金(342万〜8万円)も支給されます。 |
| 長期の療養 | 傷病補償年金。療養開始から1年6か月を過ぎても治らず、傷病等級1〜3級に当たる場合に年金(313〜245日分)。 |
| 死亡 | 遺族補償給付。遺族の数に応じた年金(153〜245日分)または一時金(1,000日分)と、遺族特別支給金300万円。2027年4月1日以降の分は、遺族が1人の場合も一律175日分になります(年金は175〜245日分。令和8年法律第60号)。葬祭料は33万円+給付基礎日額30日分(最低60日分)。 |
通勤災害の給付は「休業給付」「障害給付」のように「補償」の字が付かない名称で、内容はほぼ同じです。ただし、原則として最初の休業給付から一部負担金200円が差し引かれます(労災保険法22条の2第3項・31条2項・同法施行規則44条の2)。
会社には、労働者が安全に働けるよう配慮する義務(安全配慮義務)があります(労働契約法5条、最高裁昭和59年4月10日判決)。この義務に反して労災が起きた場合、労災保険で補償されない損害を会社に請求できます。
| 損害 | 労災保険 | 会社への請求 |
|---|---|---|
| 治療費 | 療養補償給付 | 労災保険で足りない分 |
| 休業中の収入 | 60%+特別支給金20% | 残りの部分(過失の割合で減ることがあります) |
| 将来の減収 | 障害・遺族補償給付 | 後遺障害・死亡による逸失利益のうち、給付で足りない差額 |
| 慰謝料 | なし | 請求できる(労災保険の給付は差し引かれません) |
労災保険から受けた給付は、同じ性質の損害の分だけ賠償額から差し引かれ、慰謝料からは差し引かれません(労基法84条2項、最高裁昭和62年7月10日判決)。特別支給金は差し引かれません(最高裁平成8年2月23日判決)。
弁護士費用
相談料は何度でも無料、着手金は0円です。報酬金は、会社からの賠償金や労災保険の給付を得られた場合にいただく完全成功報酬です(金額はすべて税込)。
安全配慮義務違反などを理由に、会社に慰謝料や収入の差額を請求します。
| 解決の方法 | 報酬金 |
|---|---|
| 示談交渉による解決 | 経済的利益の22%最低報酬額 22万円 |
| 労働審判・訴訟による解決 | 経済的利益の27.5%最低報酬額 22万円 |
着手金は0円です。ただし、訴訟などの裁判手続きに移行する場合は、別途着手金をいただきます。金額はご依頼前にお見積もりします。
弁護士のサポートにより労災保険から給付を受けた場合の報酬金です。給付の種類によって異なります。
| 労災保険給付の種類 | 報酬金 |
|---|---|
| 障害補償給付(障害等級8〜14級) | 経済的利益の11%最低報酬額 11万円 |
| 障害補償給付(障害等級1〜7級) | 経済的利益のうち、年金5年分と一時金の合計額の6.6% |
| 遺族補償給付(年金・一時金)、傷病補償年金 | 経済的利益のうち、年金5年分と一時金の合計額の6.6% |
| その他の労災保険給付 | 経済的利益の11% |
「経済的利益」には、労災保険の給付に加えて、休業特別支給金・障害特別支給金・障害特別年金などの特別支給金も含みます。
年金(障害補償年金・遺族補償年金・傷病補償年金と、通勤災害の障害年金・遺族年金・傷病年金。障害特別年金などの特別年金を含みます)の場合は、支給が決定して年金額が確定した時点で、年金5年分と一時金の合計額をもとに報酬金を計算し、その時点でお振込みいただきます。このため、報酬金が、その時点までに受け取った年金の額を上回ることがあります。
労災保険の決定に対する不服申立て(審査請求など)を行う場合は、別途着手金をいただきます。金額はご依頼前にお見積もりします。
ご自身で請求する場合

担当弁護士
弁護士 松井 春樹弁護士法人越水法律事務所/第二東京弁護士会
労災に遭われた方の多くは、治療と生活のことで手一杯の中で、会社とのやり取りを強いられています。まず、現在の治療・休業の状況と、会社の対応を伺います。
労災保険の手続きがまだなら、請求から一緒に進めます。会社に責任があると考えられる場合は、労災保険では足りない損害を整理し、会社への請求まで見通しを立てます。ご依頼後は、弁護士が会社との窓口になります。
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」に出演し、スポットワークの労働問題を解説(2025年9月)
公式プロフィール ↗ご相談の流れ
フォームまたはメールで、事故や発病の状況と、困っていることをお知らせください。
状況を伺い、労災と認められる見込み、会社に請求できる損害、進め方と費用をご説明します。オンラインでのご相談も可能です。
ご依頼後、労災保険の請求や証拠の確保(事故状況、労働時間の記録、診療記録など)を進めます。
弁護士が会社に損害賠償を請求し、交渉します。まとまらなければ、労働審判・訴訟で対応します。
労災の決定通知や請求書の控え、診断書、事故の状況が分かるメモや写真、給与明細、会社とのやり取りの記録など。なくても構いません。お問い合わせだけで依頼が成立することはありません。
よくある質問
できます。労災保険の請求は労働者本人(亡くなった場合はご遺族)が労働基準監督署に行うもので、会社の了承は要件ではありません。会社には請求に必要な証明をすみやかに行う義務がありますが(労災保険法施行規則23条2項)、会社が証明を拒んで事業主の証明が得られない場合でも、請求はできます(厚生労働省)。会社が労働者死傷病報告を出さない、または虚偽の報告をする「労災かくし」は、50万円以下の罰金の対象です(労働安全衛生法100条1項・120条5号・同規則97条、厚生労働省)。
切り替えられます。仕事や通勤が原因のけが・病気には、もともと健康保険は使えません(健康保険法1条・55条1項)。受診した医療機関や健康保険の保険者に申し出て、労災保険への切り替えを進めます。すでに支払った治療費は、療養の費用として監督署に請求します。期限は費用を払った日の翌日から2年です(労災保険法42条1項。2027年4月1日からは、政令で定める疾病は5年)。会社の指示で健康保険を使った場合は、そのやり取りの記録を残しておいてください。
休業4日目から、1日につき給付基礎日額の60%の休業補償給付と、20%の休業特別支給金が支給されます(労災保険法14条1項・特別支給金支給規則3条1項)。給付基礎日額は、原則としてけがの日(病気は医師の診断で発病が確定した日)の前3か月の賃金総額を暦日数で割った額です(労基法12条・労災保険法8条1項)。療養のために働けず賃金を受けない間、治ゆ(症状固定)まで続きます。療養開始から1年6か月を過ぎて治らず傷病等級に当たる場合は、傷病補償年金に切り替わります(労災保険法12条の8第3項・18条2項)。このページの「休業補償の計算」で目安を確かめられます。
業務災害では、最初の3日間(待期期間)は労災保険から支給されず、会社が1日につき平均賃金の60%を補償する義務があります(労基法76条1項)。通勤災害には会社の補償義務はありません(同条は業務上の負傷・疾病に限られます)。会社が払わない場合は、会社に請求できます。残りの40%も、会社に安全配慮義務違反などの責任があれば、損害賠償として請求できる可能性があります。
受けられます。会社が保険関係の成立の届出や保険料の納付をしていなくても、労働者は労災保険の給付を受けられます(厚生労働省)。未加入の間に起きた事故の給付費用は、政府が会社から徴収することがあります(労災保険法31条1項)。労働者側の不利益にはなりません。
業務上のけが・病気で療養のために休業する期間と、その後30日間は、原則として解雇できません(労基法19条1項)。例外は、療養開始から3年を過ぎても治らない場合に会社が平均賃金の1,200日分の打切補償を払ったときなどに限られます(同法81条)。契約社員の雇止めも、更新を繰り返していた場合や更新を期待する合理的な理由がある場合は、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性がなければ認められません(労働契約法19条)。退職届を書くよう求められても、その場で応じる必要はありません。解雇・雇止めへの対応は、解雇・退職の相談ページでもご案内しています。
療養補償給付と休業補償給付は、傷病が治ゆ(症状固定)するまで受けられます。症状固定とは、治療を続けても改善が見込めない状態のことで、痛みが残っていても症状固定とされることがあります。症状固定後は、残った障害について障害補償給付を請求します(労災保険法15条・同法施行規則14条)。治療の継続が必要だと考える場合は、主治医の意見を確かめ、監督署の決定に不服があれば審査請求ができます(労働保険審査官及び労働保険審査会法8条1項)。
監督署の決定があったことを知った日の翌日から3か月以内に、都道府県労働局の労働者災害補償保険審査官に審査請求ができます(労働保険審査官及び労働保険審査会法8条1項、厚生労働省)。審査官の決定にも不服があれば、労働保険審査会への再審査請求(決定書の謄本が届いた日の翌日から2か月以内)か、裁判所への取消訴訟を選べます(労災保険法38条1項・40条、労働保険審査官及び労働保険審査会法38条1項)。等級は障害等級表(労災保険法施行規則14条・別表第一)に当てはめて決まるため、医師の診断書や検査結果で障害の内容を具体的に示すことが重要です。
請求できます。労災保険には慰謝料の給付がなく、休業補償も賃金の全額ではありません。会社に安全配慮義務違反(労働契約法5条)や使用者責任(民法715条)などの責任がある場合は、足りない分を会社に請求できます。労災保険から受けた給付は、同じ性質の損害の分だけ賠償額から差し引かれますが、慰謝料から差し引かれることはありません(労基法84条2項、最高裁昭和62年7月10日判決)。休業特別支給金・障害特別支給金などの特別支給金も差し引かれません(最高裁平成8年2月23日判決)。
会社が、労働者の生命・健康を危険から守るために必要な配慮を怠った場合です(最高裁昭和50年2月25日判決・最高裁昭和59年4月10日判決)。安全装置や保護具がなかった、危険な作業の教育をしていなかった、人員不足で無理な作業を指示した、長時間労働を放置したなどが典型です。同僚や上司の過失で起きた事故は、会社の使用者責任(民法715条)を問えます。ご本人にも不注意があった場合は、その割合に応じて減額されます(過失相殺。民法418条・722条2項)が、請求が全くできなくなるわけではありません。労災と認定されたことと、会社の責任の有無は別の判断です。認定されても会社の責任が自動的に認められるわけではなく、逆に認定されなくても会社に請求できる場合があります。
金額の根拠を確かめる前に、サインしないでください。示談書に「これ以外の請求はしない」という条項(清算条項)があると、原則として、後から追加の請求はできなくなります。後遺障害の等級が決まる前は損害の全体が分からないため、特に注意が必要です。労災保険給付や特別支給金をどう扱うかも確かめます。交通事故の相手など第三者との示談は、先に監督署に相談してください。示談の内容によっては、その後の労災保険給付が受けられなくなることがあります(厚生労働省「第三者行為災害のしおり」)。提示された案を弁護士が確認するだけのご相談もお受けします。
厚生労働省の認定基準では、発症前1か月におおむね100時間、または発症前2〜6か月間に1か月あたりおおむね80時間を超える時間外労働があると、業務と発症の関連性が強いと評価されます(脳・心臓疾患の労災認定基準・令和3年9月改正)。これに近い時間外労働の場合も、不規則な勤務、勤務間インターバルの短さ、出張の多さ、心理的・身体的負荷などの労働時間以外の要因を合わせて総合的に評価されます。発症直前の異常な出来事や、直前1週間の過度の長時間労働も対象です。タイムカード、入退館記録、メールの送信時刻など、労働時間を示す記録の確保が重要です。
認められる可能性があります。認定基準では、①対象となる精神障害を発病し、②発病前おおむね6か月の間に業務による強い心理的負荷があり、③業務以外の原因や本人の要因で発病したとはいえないことが要件です(心理的負荷による精神障害の認定基準・令和5年9月改正)。人格を否定するような執拗なパワハラ、発病直前の2か月連続で月おおむね120時間以上の時間外労働などは「強」と評価される例です。発病直前1か月におおむね160時間を超える時間外労働は、それだけで「強」とされます。2023年9月の改正で、顧客や取引先からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)が出来事に追加されました。セクシュアルハラスメントも、認定基準の出来事に含まれます(厚生労働省「精神障害の労災認定」)。パワハラ・セクハラそのものについて、行為者や会社に慰謝料などを請求するご相談は、パワハラ被害の相談ページ・セクハラ被害の相談ページでもご案内しています。
住居と職場の間を合理的な経路・方法で移動している間の事故は、通勤災害として労災保険の対象です(労災保険法7条1項3号・2項)。共働きで、ほかに子どもを見る人がいない方が、子どもを保育所や親族に預けるために通る経路も、合理的な経路と扱われます(厚生労働省の通達)。経路を外れたり中断したりすると、その間とその後の移動は原則として通勤になりません。ただし、日用品の買い物、通院、職業訓練、要介護の家族の介護など日常生活上必要な行為を最小限度で行った場合は、経路に戻った後は再び通勤として扱われます(同法7条3項・同法施行規則8条)。飲み会や映画などの私的な寄り道をした後の事故は、原則として対象になりません。
両方使えますが、同じ損害を二重に受け取ることはできません。労災保険が先に給付した分は、政府が相手方(保険会社)に請求し、相手方から先に賠償を受けた分は、その範囲で労災保険の給付が行われません(労災保険法12条の4)。労災保険と相手の自賠責保険のどちらを先に使うかは、ご本人が選べます(厚生労働省「第三者行為災害のしおり」)。労災保険の給付は、ご自身の過失を理由に減らされることが原則としてなく、治療費の給付に金額の上限もありません。ご自身にも過失がある場合や、治療が長引く場合は、労災保険を使う利点があります。一方、自賠責保険からは労災保険にない慰謝料も支払われ、休業損害は原則として100%が対象です(労災保険は特別支給金を含めて80%)。ただし、自賠責保険のけがの損害には120万円の上限があります(同しおり)。休業特別支給金などの特別支給金は、相手方から休業損害を受け取っていても差し引かれずに支給され、相手方への請求額からも差し引かれません(同しおり、最高裁平成8年2月23日判決)。労災保険を使うときは「第三者行為災害届」を監督署に提出し、示談の前に監督署へ相談してください(同しおり)。相手方の保険会社との示談交渉や、慰謝料・過失割合については、交通事故の相談ページもご覧ください。
労災保険からは、遺族補償年金と遺族特別支給金300万円が支給されます(労災保険法16条の3・16条の6・別表第一・第二、特別支給金支給規則5条)。年金は遺族の数に応じて給付基礎日額の153〜245日分で、年金を受けられる遺族がいない場合は1,000日分の一時金になります。葬儀を行った方には、葬祭料(33万円+給付基礎日額30日分、最低でも60日分)が支給されます(同法施行規則17条)。2027年4月1日以降の分は、遺族が1人の場合の年金も一律175日分になります(令和8年法律第60号)。請求の期限は、亡くなった日の翌日から、遺族補償給付は5年、葬祭料は2年です(労災保険法42条1項。2027年4月1日からは、遺族補償給付は同条2項)。2027年4月1日からは、政令で定める疾病(厚生労働省は脳・心臓疾患、精神疾患などを想定)が原因の場合、葬祭料の期限も5年になります。2027年3月31日以前に生じた疾病は2年のままです。会社に安全配慮義務違反などの責任があれば、死亡慰謝料や逸失利益を会社に請求できます。過労自殺について会社の責任を認めた判例もあります(最高裁平成12年3月24日判決)。
あります。労災保険の給付は、治療費・休業補償・葬祭料・介護の給付が2年、障害・遺族の給付が5年です。起算日は、費用を払った日や休業した日、治ゆした日、亡くなった日のそれぞれ翌日です(労災保険法42条1項)。2027年4月1日からは、業務が原因かの判断が難しい疾病として政令で定めるものについて、治療費・休業補償・葬祭料・介護の給付の期限も5年になります。厚生労働省は、脳・心臓疾患、精神疾患、石綿関連疾病を想定しています。2027年3月31日以前に生じた疾病は2年のままで、障害・遺族の給付の5年の根拠は42条2項に移ります(令和8年法律第60号・附則5条、厚生労働省の通達)。会社への損害賠償請求は、人の生命・身体の侵害によるものなので、損害と加害者を知った時から5年です(民法724条の2)。安全配慮義務違反を理由とする場合は、権利を行使できることを知った時から5年で(民法166条1項1号)、いずれも最長20年です。後遺障害が残った場合は症状固定の時から数えるのが一般的ですが、事案によって起算点が変わります。2020年3月31日以前の事故などは、改正前の民法が適用されて期間が異なる場合もあるため、早めにご相談ください。
できます。労災保険の給付を受ける権利は、退職によって変わりません(労災保険法12条の5第1項)。在職中の労働時間やハラスメントが原因の精神障害も、退職後に請求できます。会社への損害賠償請求も、退職後にできます。ただし期限があるため、記録が残っているうちに進めることをお勧めします。
一定規模以上の会社では、業務災害の給付実績に応じて労災保険料率が上下するしくみ(メリット制)があるため(労働保険徴収法12条3項)、会社が申請を嫌がることがあります。しかし、労災保険の給付は労働者の権利です。治療費や休業補償を会社の都合で諦める必要はありません。申請したことを理由とする解雇などは権利の濫用として無効とされる可能性が高く、業務上のけがで療養のために休む間とその後30日間は、解雇自体が原則として禁止されています(労働契約法16条・労基法19条1項)。通勤災害は、メリット制の対象外です。
はい。労災になるかどうかの見立てから、お手伝いします。相談料は何度でも無料です。オンラインでのご相談・打ち合わせに対応しているため、勤務先や事故現場が遠方でも、全国からご依頼いただけます。
最終更新日 2026年10月4日執筆 弁護士 松井春樹(第二東京弁護士会)
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事故や発病の状況、現在の治療・休業の状況、会社の対応をお知らせください。詳しく分からない部分があっても構いません。