残業代の計算と請求
タイムカードやメールの送信時刻などの記録から残業時間を集計し、法律どおりの計算で請求額を出します。会社には、内容証明郵便で請求書面を送ります。
残業代請求のご相談
毎日残業しているのに残業代が出ない。管理職だから、固定残業代があるから、と言われた。タイムカードがない。退職してしまった。そのような場合でも、残業代を請求できる可能性があります。証拠の確認から計算、会社との交渉、労働審判・訴訟まで、弁護士が代理人として進めます。
お問い合わせだけで、勤務先に連絡することはありません。
弁護士 松井春樹東京大学法学部卒業/大手法律事務所出身
テレビ東京WBS出演
※報酬金・期日等手数料と、郵送料などの実費は別途かかり、解決時に精算します。成果がなかった場合はいただきません。
残業時間の記録や給与明細がそろっていなくても、ご相談いただけます。

担当弁護士松井 春樹
相談できること
残業代の悩みは、在職中か退職後か、会社から何と言われているかで変わります。どの段階からでもご相談ください。
タイムカードやメールの送信時刻などの記録から残業時間を集計し、法律どおりの計算で請求額を出します。会社には、内容証明郵便で請求書面を送ります。
ご依頼後は、弁護士が会社との連絡窓口になります。会社の反論(管理監督者、固定残業代、自主的な残業など)に法律と判例に基づいて反論し、支払いの合意を目指します。
手元に記録がなくても、会社にタイムカード・賃金台帳・就業規則などの開示を求めます。応じない場合は、弁護士会照会や裁判所の手続き(証拠保全・文書提出命令)も検討します。
交渉がまとまらない場合は、労働審判や訴訟で請求します。未払いの残業代に加えて、遅延損害金や付加金(裁判所が命じる場合)も請求します。
固定残業代が法律上有効か、管理職扱いが労働基準法の「管理監督者」に当たるかを、契約書・就業規則・勤務の実態から検討します。無効であれば、請求額は大きく変わります。
残業代を請求したら解雇された、退職を切り出せない、といった場合は、不当解雇への対応や退職代行もあわせてお受けします。解雇の詳しいご案内は解雇・退職の相談ページをご覧ください。
無料の計算・診断ツール
4つのツールを無料でお使いいただけます。入力した内容は送信されず、この画面の中だけで計算します。結果は目安です。
給与の形態、1か月の残業時間、固定残業代の有無から、1時間あたりの基礎賃金、1か月の残業代の目安、請求期間の合計を計算します。割増率は、労働基準法37条と政令で定める最低限度(時間外25%・月60時間超50%・深夜25%・法定休日35%)で計算します。
労働基準法37条・労働基準法施行規則19条〜21条に基づく目安です。変形労働時間制・フレックスタイム制・裁量労働制などの場合や、月ごとに残業時間が大きく違う場合は、実際の金額は変わります。1か月60時間を超える時間外労働の割増率50%は、2023年4月1日以降の労働について、中小企業にも適用されています。
残業代の時効は、各月の給料日から3年です。給料日と、未払いが始まった時期・退職日を入力すると、いま請求できる月と、近く時効になる分の期限を表示します。
労働基準法115条・143条3項と、期間の数え方を定めた民法140条・143条に基づく目安です。給与の締め日・支払日の定め方や、すでに行った請求・会社の承認の有無によって、実際の期限は変わります。
会社から言われている理由を選ぶと、残業代を請求できる可能性と、確かめるべき点、集めたい証拠を表示します。理由のほかの質問は、答えられるものだけで構いません。
一般的な判断要素に基づく目安です。管理監督者や固定残業代の有効性は、契約書・就業規則・勤務の実態をもとに個別に判断されます。
解雇が無効と判断された場合、会社は解雇の日から解決までの賃金(バックペイ)を支払う必要があります。解雇日と月給から、その目安を計算します。残業代とあわせて請求できます。
民法536条2項と最高裁の判例(昭和37年7月20日・昭和62年4月2日)に基づく目安です。月給を平均賃金の代わりに使っています。解雇が有効と判断された場合はバックペイは発生しません。賞与や昇給、解雇予告手当の扱いなどは個別の事情によって変わります。
弁護士に依頼すると
ご依頼後は、弁護士が会社との連絡窓口になります。「管理職だから」「自主的な残業だから」といった会社の反論には、弁護士が法律と判例に基づいて反論します。
会社には賃金台帳やタイムカードなどの記録を保存する義務があります。弁護士から開示を求め、応じない場合は弁護士会照会や裁判所の手続きも検討します。手帳やメールの送信時刻も証拠になります。
基礎賃金から除外してよい手当、割増率、固定残業代の扱いなど、計算の論点を一つずつ確かめます。時効が近い月の分は、先に内容証明郵便で請求し、時効の完成を6か月間止めます。
残業代請求の基礎知識
残業代は「1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間」で計算します。月給制の基礎賃金は、月給から家族手当・通勤手当・住宅手当などの除外手当(労基法37条5項・労基則21条)を引き、1か月の平均所定労働時間で割った額です(労基則19条)。役職手当や資格手当は除外されず、基礎賃金に含めます。
| 労働の種類 | 割増率 | 内容と根拠 |
|---|---|---|
| 時間外 | 25%以上 | 1日8時間・週40時間を超える労働(労基法37条1項・割増賃金令) |
| 月60時間超 | 50%以上 | 時間外労働のうち月60時間を超える分。2023年4月1日から中小企業にも適用(労基法37条1項ただし書・厚生労働省) |
| 深夜 | 25%以上を加算 | 22時〜翌5時の労働。時間外と重なれば50%、法定休日と重なれば60%(労基法37条4項・労基則20条1項・2項) |
| 法定休日 | 35%以上 | 週1日(または4週4日)の法定休日の労働(労基法35条・37条1項・割増賃金令) |
| 法定内残業 | 割増なし | 所定労働時間を超え、1日8時間以内の労働。通常の1時間あたりの賃金が発生します |
1日ごとに15分・30分単位で労働時間を切り捨てる扱いは、労働基準法違反です(厚生労働省のリーフレット)。切り捨てられた時間も含めて、実際の労働時間で計算し直します。
会社の説明が、法律上そのまま通るとは限りません。よく言われる5つの理由と、法律上の考え方です。
| 会社の説明 | 法律上の考え方 |
|---|---|
| 管理職 | 労働基準法の「管理監督者」(労基法41条2号)は、経営者と一体的な立場で、出退勤の自由があり、待遇もそれにふさわしい人に限られます。肩書だけの「名ばかり管理職」には残業代が必要です。管理監督者でも深夜割増は支払われます(厚生労働省のリーフレット)。 |
| 固定残業代 | 残業代に当たる部分が通常の賃金と判別でき、残業の対価として支払われている必要があります(最高裁令和5年3月10日判決・最高裁平成30年7月19日判決)。有効でも、固定残業代の時間数を超えた分は請求できます。 |
| 年俸制・歩合給 | 年俸制でも歩合給でも、残業代は発生します。年俸に残業代を含める合意があっても、残業代に当たる部分が判別できなければ、残業代を払ったことになりません(最高裁平成29年7月7日判決)。歩合給は計算方法が変わります(労基則19条1項6号)。歩合給から残業代に相当する額を差し引く仕組みを、残業代の支払いと認めなかった判例もあります(最高裁令和2年3月30日判決)。 |
| 外回り | 事業場外みなし労働時間制が使えるのは、「労働時間を算定し難いとき」に限られます(労基法38条の2)。業務の内容や予定があらかじめ決められ、途中で指示を受け、終わった後に詳しく報告していた添乗員について、これに当たらないとした判例があります(最高裁平成26年1月24日判決)。当たらなければ、実際の労働時間で残業代を計算します。 |
| 自主的な残業 | 会社の指揮命令の下に置かれていた時間は、就業規則などの定めにかかわらず労働時間です(最高裁平成12年3月9日判決)。明示の指示がなくても、黙示の指示で働いた時間は労働時間に当たります(厚生労働省のリーフレット)。 |
労働時間を示すものなら、会社が作った記録でなくても証拠になります。手元にあるものを捨てずに残してください。
会社には、賃金台帳や労働時間の記録を保存する義務(労基法108条・109条)と、労働時間の状況を把握する義務(労働安全衛生法66条の8の3・厚生労働省ガイドライン)があります。会社が開示に応じない場合は、裁判所の文書提出命令(民事訴訟法220条・223条)や証拠保全(同234条)を検討します。
弁護士費用
相談料は何度でも無料、着手金は0円です。報酬金・期日等手数料・実費は、解決時に精算します。成果が得られなかった場合は、いずれもいただきません(金額はすべて税込)。
未払い残業代の計算、会社への請求、交渉を行います。労働審判・訴訟に進む場合も、追加の着手金はかかりません。
「経済的利益」は、ご依頼後に会社から支払われることになった残業代・解決金などの総額です。ご依頼前に会社が支払いを申し出ていた金額があっても、その額を差し引かずに計算します(申し出と同じ額で解決した場合も、その全額が経済的利益になります)。成果が得られなかった場合、報酬金はいただきません。会社から金銭が支払われる形で解決した場合、報酬金はその支払いの際に精算します。
期日等手数料は、裁判期日への出廷等(電話・Web会議を含む)や、第三者機関への訪問・打ち合わせなどが必要になった場合に、1回ごとにかかります。
実費(報酬金とは別にかかります)
期日等手数料と実費は、解決時に精算します。成果が得られなかった場合はいただきません。
残業代請求と同時に、退職の手続きや不当解雇への対応もお受けします。いずれも、成果が得られなかった場合は報酬金をいただきません。
退職代行
「退職の意思伝達」は、弁護士が会社に退職の意思を伝えるまでの代理です。「フルサポートプラン」は、退職の意思伝達に加えて、有給休暇の取得、離職票などの請求、返還物の取次ぎ、未払い給与や退職金の請求など、退職に付随する交渉を退職日まで弁護士が行います。退職代行の費用は成功報酬で、成果が得られなかった場合はいただきません。
不当解雇(追加着手金なし)
解雇のご相談だけの場合の費用やサービスは、解雇・退職の相談ページをご覧ください。

担当弁護士
弁護士 松井 春樹弁護士法人越水法律事務所/第二東京弁護士会
何時に出て、何時に帰っていたか。残業の指示はどう出ていたか。給与明細のどの項目が残業代とされているか。残業代の請求は、この事実の整理から始まります。記録がそろっていなくても、どんな証拠が残っていそうかを一緒に探します。
在職中で会社との関係が気になる方、退職後で時効が心配な方、それぞれに進め方は違います。見通しと費用をご説明したうえで、ご依頼いただくかどうかをお決めください。
テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」に出演し、スポットワークの労働問題を解説(2025年9月)
公式プロフィール ↗ご相談の流れ
フォームまたはメールで、勤務先の状況と困っていることをお知らせください。残業時間の詳細は、分かる範囲で構いません。
働き方と給与の内訳を伺い、請求できる見込み、進め方、費用をご説明します。オンラインでのご相談も可能です。
ご依頼後、手元の資料を整理し、会社に勤怠記録などの開示を求めます。残業代を計算し、請求額を確定します。
内容証明郵便で請求し、弁護士が会社と交渉します。まとまらなければ、労働審判・訴訟で対応します。
給与明細、雇用契約書・労働条件通知書、就業規則、タイムカードや勤怠の記録、残業の指示が分かるメールなど。なくても構いません。お問い合わせだけで依頼が成立することはありません。
よくある質問
原則として、各月の給料日から3年です(労基法115条・143条3項)。期間は給料日の翌日から数えます(民法140条)。2020年4月1日以降に支払日が来た賃金から、時効が2年から3年に延びました(厚生労働省)。1か月経つごとに、いちばん古い月の分から順に時効を迎えます。内容証明郵便で請求(催告)すると、6か月間は時効が完成しません(民法150条)。その間に交渉や労働審判に進みます。会社が未払いを認めた場合は、時効は新たに進み始めます(民法152条)。このページの「時効の確認」ツールで、月ごとの期限の目安を確かめられます。
請求できる可能性はあります。労働時間を示すものは、タイムカードに限りません。パソコンのログイン・ログオフの記録、業務メールやチャットの送信時刻、入退館記録、交通系ICカードの履歴、日報、手帳やメモ、家族への「今から帰る」の連絡なども、組み合わせて労働時間を推定する材料になります。会社には労働時間の記録を保存・把握する義務があり(労基法109条・労働安全衛生法66条の8の3)、弁護士から開示を求めます。応じない場合は、裁判所の証拠保全や文書提出命令(民事訴訟法234条・220条・223条)も検討します。在職中の方は、今日からでも出退勤の時刻を記録し、メールやログは手元に残しておいてください。
肩書が管理職でも、労働基準法の「管理監督者」(労基法41条2号)に当たらなければ、残業代を請求できます。管理監督者は、経営者と一体的な立場で重要な責任と権限を持ち、出退勤を自分で決められ、賃金などの待遇もそれにふさわしい人に限られます(厚生労働省のリーフレット)。アルバイトの採用や部下の評価を決める権限がない、遅刻・早退で給料が引かれる、時給に直すと部下より低い、といった事情があれば、「名ばかり管理職」の可能性があります。なお、管理監督者に当たる場合でも、深夜労働(22時〜翌5時)の割増賃金は支払われなければなりません(労基法37条4項)。
2つの点を確かめます。1つ目は、固定残業代が法律上有効かどうかです。通常の賃金と残業代に当たる部分が判別でき、残業の対価として支払われていることが必要で、契約書などの記載内容、会社の説明、実際の労働時間などから判断されます(最高裁平成30年7月19日判決・最高裁令和5年3月10日判決)。賃金の総額は変えずに、それまで通常の賃金だった部分を名目だけ残業代に置き換えた賃金体系について、残業代を支払ったとは認めなかった判例もあります(最高裁令和5年3月10日判決)。無効であれば、固定残業代は基礎賃金に含めて計算し直すため、請求額は大きくなります。2つ目は、有効な場合でも、固定残業代が何時間分かを確かめ、それを超えて働いた分の差額を請求できることです。「営業手当」「業務手当」などの名目で、何時間分かが示されていない場合は、特に確認が必要です。
できます。退職後は、在職中よりも会社との関係を気にせずに進められます。時効は各給料日から3年なので(労基法115条・143条3項)、退職してから時間が経つほど請求できる月は減ります。退職した方の未払い賃金には、原則として、退職日の翌日(退職後に支払日が来る分は、支払日の翌日)から年14.6%の遅延利息がつきます(賃金の支払の確保等に関する法律6条・同施行令1条)。会社が合理的な理由で裁判所などで争っている期間は対象外です(同法6条2項・同法施行規則6条4号)。会社に残っている勤怠記録は、弁護士から開示を求めます。
「1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間」です。月給制なら、月給から家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当・臨時の賃金などを除き(労基法37条5項・労基則21条。全員に一律で支給される手当は除きません)、1か月の平均所定労働時間で割って基礎賃金を出します(労基則19条)。役職手当や資格手当は基礎賃金に含めます。割増率は、時間外25%、月60時間を超える分50%、深夜25%加算、法定休日35%です(労基法37条・割増賃金令)。所定労働時間が7時間など8時間未満の場合、7時間から8時間までの残業は割増なしの通常賃金です。1日ごとに15分・30分単位で切り捨てる扱いは認められないため(厚生労働省のリーフレット)、1分単位で計算し直して請求します。このページの「残業代の計算」ツールで目安を確かめられます。
1か月60時間を超える時間外労働は50%以上です(労基法37条1項ただし書)。大企業は2010年4月から、中小企業も2023年4月1日以降の労働から適用されています(厚生労働省)。深夜に及ぶ分は深夜割増25%が加わり75%になります(労基則20条1項)。法定休日の労働時間は60時間の計算に含めず、35%で別に計算します。
労働時間かどうかは、会社の指揮命令の下に置かれていたかどうかで客観的に決まり、就業規則などの定めでは決まりません(最高裁平成12年3月9日判決)。明示の指示がなくても、黙示の指示で働いた時間は労働時間です(厚生労働省のリーフレット)。所定時間内に終わらない量の仕事を課されていた、上司が残業を知りながら止めなかった、申請しても却下されるので申請せずに働くことが常態化していた、といった事情があれば、許可がなくても労働時間と評価される可能性があります。「退勤を打刻してから働く」「申請は月20時間までと言われている」といった場合も、実際の労働時間で請求を検討します。
会社に義務付けられ、またはそうせざるを得なかった準備や後片付けの時間は、原則として労働時間に当たります(最高裁平成12年3月9日判決。作業服や保護具の着脱などの時間が労働時間とされました)。厚生労働省も、指示された服装への着替えや、業務の後の清掃の時間を、労働時間の例に挙げています(厚生労働省のリーフレット)。制服への着替えを職場で行うよう指示されている、始業15分前の朝礼や掃除への参加が決まりになっている、といった場合は、その時間も含めて残業代を計算します。
休憩時間は、労働者に自由に利用させなければなりません(労基法34条)。電話番や来客対応のために待機している時間、客が来れば対応しなければならない時間は、労働から離れることが保障されていないため、休憩ではなく労働時間(手待ち時間)です(厚生労働省のリーフレット)。仮眠時間でも、警報や電話への対応が義務付けられていれば労働時間とした判例があります(最高裁平成14年2月28日判決)。1人で店番をしていて休憩が取れない、休憩中も連絡に応じる決まりになっている、といった場合は、引かれた休憩時間分の賃金と、それによって生じる残業代を請求できる可能性があります。
出る可能性があります。在宅勤務でも、会社の指示で所定時間を超えて働いた時間は労働時間です。期限までに終わらない量の仕事を課されて自宅で作業した場合も、会社がそれを知り得たかどうかなどの事情によっては、労働時間と評価されることがあります。パソコンのログ、メール・チャットの送信時刻、業務システムの操作履歴が主な証拠になります。在宅勤務に事業場外みなし労働時間制(労基法38条の2)を適用できるのは、パソコンなどを常に通信できる状態に置くよう指示されておらず、随時具体的な指示を受けずに働いている場合に限られます(厚生労働省のテレワークガイドライン)。
できます。年俸制は賃金の決め方にすぎず、労働時間の規制が外れるわけではありません。年俸に残業代を含める合意があっても、年俸のうち残業代に当たる部分が判別できなければ、年俸の支払いで残業代を払ったことにはならないとした判例があります(最高裁平成29年7月7日判決)。年俸額があらかじめ確定している場合は、賞与として支払われる部分も含めた年俸額の12分の1を月給として、平均所定労働時間で割って基礎賃金を出します(厚生労働省のQ&A)。これをもとに、残業時間に応じた割増賃金を請求します。
出ます。歩合給の部分は、その月の歩合給を総労働時間で割った額(労基則19条1項6号)に、時間外・深夜は25%(月60時間を超える時間外は50%)、法定休日は35%を掛けて計算します。歩合給の計算で残業代に相当する額を差し引く賃金の仕組みについて、残業代を支払ったことにはならないとした判例があります(最高裁令和2年3月30日判決)。トラック・タクシーの運転手の場合、荷待ちや客待ちの時間も、自由に使える時間でなければ労働時間です。デジタルタコグラフや運転日報が証拠になります。
制度の条件を満たしていなければ、実際の労働時間で請求できます。事業場外みなし(労基法38条の2)は「労働時間を算定し難いとき」に限られます。業務の内容や予定があらかじめ決められ、途中で指示を受け、終わった後に詳しく報告していた添乗員について、これに当たらないとした判例があります(最高裁平成26年1月24日判決)。一方、業務日報による報告だけを重視して「労働時間を算定し難いとき」に当たらない(実際の労働時間で計算する)とした高裁の判断について、日報の正確さを十分に検討していないとして、最高裁が破棄し、高裁に差し戻した例もあります(最高裁令和6年4月16日判決)。結論は働き方の実態によって分かれます。裁量労働制(労基法38条の3・38条の4)は、法令で決められた業務に限られ、労使協定や労使委員会の決議、本人の同意などの手続きも必要です。営業や事務の仕事に適用されている場合は、無効の可能性があります。
労働基準監督署は、会社が労働基準法を守っているかを監督する行政機関です。申告(労基法104条)を受けて会社を調査し、違反があれば是正を指導しますが、あなたの代理人として会社と交渉したり、金額を計算して請求したりはしません。弁護士は、あなたの代理人として証拠を集め、金額を計算し、会社と交渉し、まとまらなければ労働審判・訴訟で請求します。労基署に相談したが動いてもらえなかった、是正勧告が出ても会社が払わない、という段階からでもご相談ください。
まず内容証明郵便で請求し、交渉します。まとまらなければ労働審判を申し立てます。労働審判は原則3回以内の期日で審理を終え、平成18年〜令和6年に終了した事件の平均審理期間は82.6日です(労働審判法15条2項・裁判所)。審判に異議が出れば訴訟に移ります(同21条・22条)。訴訟では、未払いの残業代に加えて、裁判所が同額までの付加金を命じることがあります(労基法114条)。判決や確定した労働審判、和解で決まった金額を会社が払わないときは、預金などの差押えができます。
付加金は、残業代などの不払いがあった場合に、裁判所が会社に対し、未払額と同じ額までの支払いを命じることができる制度です(労基法114条)。訴訟で請求した場合に裁判所が判断するもので、違反のあった時から3年以内に請求する必要があります(同条ただし書・143条2項)。交渉や労働審判では見込みにくい点にご注意ください。遅延損害金は、支払いが遅れたことに対する損害金です。在職中の未払い分には法定利率の年3%(民法404条・419条・法務省)がつきます。退職した方の未払い賃金には、原則として、退職日の翌日(退職後に支払日が来る分は、支払日の翌日)から年14.6%の遅延利息がつきます(賃金の支払の確保等に関する法律6条・同施行令1条)。会社が合理的な理由で裁判所などで争っている期間は対象外です(同法6条2項・同法施行規則6条4号)。
契約の名前が「業務委託」でも、実態が雇用であれば労働基準法が適用され、残業代を請求できる可能性があります。仕事の依頼を断れない、勤務時間や場所を指定されている、仕事の進め方を細かく指示されている、報酬が時間に応じて決まる、道具や材料を会社が用意している、といった事情があれば、労働者と判断されやすくなります(労働基準法研究会報告(昭和60年))。美容師やセラピスト、講師など、業務委託の形で働く人が多い仕事でよく問題になります。
できます。残業代を請求した直後に解雇された、退職を切り出せない、退職後に会社から損害賠償を請求すると言われた、といったご相談は、残業代請求とあわせてお受けします。解雇が無効であれば、解雇の日から解決までの賃金(バックペイ)も請求できます(民法536条2項)。このページの「バックペイの目安」ツールで概算を確かめられます。残業代請求とあわせてご依頼いただく場合は、残業代請求の報酬金に、不当解雇分(任意交渉で解決した場合は13万7,500円、労働審判・訴訟で解決した場合は19万2,500円)を加算します。解雇の問題だけをご依頼いただく場合は、解雇・退職の相談ページの料金(着手金0円、成功報酬22万円+経済的利益の15%。いずれも税込で、郵送料等の実費は別途)です。解雇の詳しいご案内は解雇・退職の相談ページをご覧ください。
相談料は何度でも無料、着手金は0円です。報酬金は、任意交渉で解決した場合で固定27万5,000円と経済的利益の22%(労働審判・訴訟の場合は固定38万5,000円と22%。金額はいずれも税込)で、期日等手数料・郵送料などの実費とともに、解決時に精算します。成果が得られなかった場合は、報酬金・期日等手数料・実費をいただきません。ただし、固定報酬金があるため、回収できる金額が少ないと、弁護士費用が回収額を上回る(費用倒れになる)ことがあります。ご依頼前に、請求できる見込みの金額と弁護士費用の見積もりをお示しし、費用倒れのおそれがあればお伝えしますので、金額を見てからご判断いただけます。
はい。ご相談や打ち合わせはオンラインで行い、全国からのご依頼をお受けしています。労働審判・訴訟になった場合の裁判所や、期日への出席の方法(電話会議・Web会議を利用できる場合があります)も、ご依頼前にご説明します。
最終更新日 2026年10月4日執筆 弁護士 松井春樹(第二東京弁護士会)
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