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債権回収

売掛金・未払い報酬の時効は何年?時効の完成を止める方法

売掛金や業務委託の報酬などの請求権は、一定期間行使しないと時効で消滅します。2020年4月1日施行の改正民法による時効期間と、時効の完成を止める方法を解説します。

執筆 弁護士 松井春樹(第二東京弁護士会)公開 2026年9月30日更新 2026年9月30日

この記事のポイント

  • 原則として、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効になります(民法166条1項)。
  • 内容証明郵便などで支払いを求める「催告」をすると、その時から6か月間は時効が完成しません(同法150条1項)。
  • 相手が支払義務を認めた(承認した)ときは、時効はその時から新たに進行を始めます(同法152条1項)。

売掛金・報酬の時効期間

2020年4月1日に施行された改正民法では、債権は、債権者が権利を行使できることを知った時から5年間、または権利を行使できる時から10年間行使しないときに、時効によって消滅するとされています(民法166条1項)。売掛金や業務委託の報酬では、通常は支払期日を知っているため、支払期日から5年と考えるのが基本です。

改正前は、商取引の債権は5年、一部の債権は2年など、債権の種類ごとに異なる時効期間が定められていました。2020年4月1日より前に生じた債権などには改正前のルールが適用される場合があるため、取引の時期を確認する必要があります(法務省「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について」)。

時効の完成を止める方法

  • 催告:内容証明郵便などで支払いを求めると、その時から6か月を経過するまで時効は完成しません(民法150条1項)。ただし、猶予されている間に再び催告しても、猶予は延びません(同条2項)。
  • 裁判上の請求など:訴訟の提起、支払督促の申立て、民事調停の申立てなどをすると、その手続が終わるまで時効は完成しません。判決などで権利が確定すれば、時効は新たに進行を始めます(同法147条)。
  • 承認:相手が支払義務を認めると、時効はその時から新たに進行を始めます(同法152条1項)。一部の支払いや、支払いを待ってほしいという申出が承認にあたることもあります。
  • 協議を行う旨の合意:協議を行うことを書面で合意すると、合意から1年、1年未満の協議期間を定めた場合はその期間、相手が書面で協議の続行を拒絶した場合は通知から6か月の、いずれか早い時まで時効は完成しません(同法151条1項)。ただし、催告によって猶予されている間に協議の合意をしても、猶予は延びません(同条3項)。

時効が迫っているときの進め方

まずは支払期日と請求額を確認し、時効が完成するまでの期間を把握します。催告による6か月の猶予は1回限りと考え、その間に交渉や支払督促・訴訟の準備を進めるのが基本です。相手が支払いを約束した場合は、書面やメールで記録に残してください。

弁護士に相談するタイミング

支払期日から時間がたっている、相手と連絡が取れない、取引の時期が2020年より前といった場合は、早めにご相談ください。時効が完成する時期と、とるべき手続を確認します。

未払い報酬・売掛金の回収

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執筆 弁護士 松井 春樹

第二東京弁護士会所属。弁護士法人越水法律事務所。東京大学法学部卒業後、森・濱田松本法律事務所を経て現職。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」でスポットワークの労働問題を解説(2025年9月)。

公式プロフィール ↗

参考資料

  1. 民法(e-Gov法令検索)
  2. 法務省「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について」
  3. 裁判所「支払督促」

法令は2026年9月30日時点の内容です。個別の事案への当てはめは、事情によって異なります。

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